千葉の特徴

千葉の街並み

超高齢化を迎える千葉県

千葉県では、2025年以降も75歳以上の後期高齢者が高い水準で推移し、医療・介護を必要とする人の増加が続く見通しです。県の推計では、75歳以上人口は2025年の約107~108万人から2030年には約110~114万人まで増加し、その後はやや減少するものの、2040年にも約109~110万人規模で推移するとされています。

一方、総人口と生産年齢人口は減少するため、医療・介護を必要とする高齢者を、より少ない現役世代と専門職で支える構造となります。特に85歳以上人口の増加に伴い、複数の慢性疾患を抱える人、要介護状態にある人、在宅療養や看取りを必要とする人が増えることが見込まれます。


地域によって異なる医療・介護環境

千葉県内では、千葉、東葛南部、東葛北部、印旛などの都市近郊型医療圏と、君津、香取海匝、山武長生夷隅、安房などの地方都市・郡部型医療圏との間で、人口構造、医療機関の配置、交通事情、介護資源の確保状況が大きく異なります。

都市近郊型の医療圏では、今後も75歳以上人口と入院需要の増加が見込まれます。入院患者数は2013年から2040年にかけて、東葛南部で1日当たり約6,825人から約17,210人、東葛北部で約7,290人から約14,534人、千葉医療圏で約5,316人から約11,757人へ増加すると推計されています。

これらの地域には大学病院や大規模病院、救急医療を担う拠点病院があります。しかし、人口集積に伴う需要の増加に対して、病院だけで対応することは困難です。外来診療、救急搬送、退院後の在宅療養、訪問看護、介護施設の受入体制までを含め、地域全体の医療・介護提供力を高める必要があります。

一方、地方部では人口減少により医療需要の規模が縮小する地域がある一方で、医師、看護師、介護職員、訪問看護事業所などの確保が一層難しくなる可能性があります。需要が減少する地域であっても、医療・介護資源が自然に充足するわけではありません。限られた人材や施設を維持し、周辺地域と連携して活用する仕組みが重要となります。


在宅医療・介護の需要増加

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、入院医療だけでなく、在宅医療と介護の提供体制を強化することが欠かせません。千葉県の在宅医療等の需要は、2013年の約4.4万人から2025年には約7.8万人へ増加し、約1.8倍となる推計が示されています。

在宅療養支援診療所・病院、訪問診療、訪問看護、訪問薬剤管理、訪問リハビリテーション、居宅介護支援事業所などが連携し、日常の療養支援から急変時の入院調整、退院支援、看取りまで対応できる体制が求められます。

そのため、地域生活連携シートなどの標準様式を活用した情報共有、電子化されたケア情報の連携、退院時カンファレンスの充実、夜間・休日の連絡体制の整備が重要となります。


2040年に向けた地域づくり

2025年を通過点として、2040年に向けては、後期高齢者と85歳以上人口の増加、生産年齢人口の減少、医療・介護人材の不足が同時に進みます。限られた資源を地域全体で有効に活用し、持続可能な医療・介護提供体制を構築することが必要です。

都市部では、医療機関や介護施設の整備とともに、訪問サービスや退院後の受入体制を強化することが求められます。地方部では、巡回診療、訪問看護、オンライン診療、遠隔での専門医相談、移動支援などを組み合わせ、広域で地域を支える仕組みが重要です。

さらに、フレイル予防、介護予防、認知症対策、生活習慣病予防、社会参加の促進、健康経営など、健康寿命を延ばす取り組みも欠かせません。

千葉県においては、医療・介護・福祉・保健を分野ごとに整備するのではなく、予防から受診、入院、退院、在宅療養、介護、看取りまでを切れ目なく支える地域包括ケアシステムの再構築が重要です。医療機関、介護事業者、自治体、薬局、民間企業、住民がそれぞれの役割を担い、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりを進めていく必要があります。

各医療圏の特徴については、下記をご覧ください。