【健保連】2020年度診療報酬改定に向けた政策提言、フォーミュラリやリフィル等の導入|千葉de医院開業

2019年8月30日

腕組みをするドクター

健保連は8月23日、レセプト分析に基づく次期診療報酬改定に向けた政策提言を公表した。提言は(1)機能強化加算の見直し、(2)フォーミュラリの導入、(3)リフィル処方の導入、(4)調剤報酬の見直し、(5)花粉症治療薬の保険適用範囲の見直し-の5つが挙げられた。

 


(1)機能強化加算の見直しでは、現行の算定患者は急性気管支炎が最も多い現状となっているため、生活習慣病等の慢性疾患を有する継続的な管理が必要な患者に対象を限定する等、現行の算定要件を見直すべきであるとした。

 

(2)フォーミュラリの導入については、年間で降圧薬1,794 億円、脂質異常症治療薬765 億円、血糖降下薬582 億円の合計約3,100 億円(全国推計値)の薬剤費の削減可能性が見込まれるため、生活習慣病治療薬のフォーミュラリを盛り込むべきであるとした。

 

(3)リフィル処方の導入に関しては、リフィル処方を導入(90日に1回受診すると仮定)することで年間約362億円(全国推計値)の医療費適正化効果が見込まれることから、かかりつけ薬剤師に限定したリフィル処方を診療報酬制度の中に導入し、リフィル処方の普及に向けた取り組みを促進すべきであるとした。

 

(4)調剤報酬の見直しにおいては、複数の医療機関を受診した患者のうち、かかりつけ薬局を持つ患者の割合は4.5%にとどまっている点などを踏まえ、調剤基本料及び薬剤服用歴管理指導料について、地域医療貢献の実績に応じた評価や薬歴の管理・指導が必要な患者の明確化等、現行の算定要件を見直すべきである。中長期的には、薬機法等改正に呼応し、様々な薬局の機能類型に対応した調剤報酬体系へと再編すべきであるとした。

 

(5)花粉症治療薬の保険適用範囲の見直しでは、OTC類似薬全てを保険適用から除外した場合の薬剤費削減効果(全国推計値)は年間36億円~597億円程度と見込まれ、花粉症を主病とする患者に対し、1処方につきOTC類似薬を1分類のみ投薬する場合は当該薬剤について保険適用から除外すべきであるとした。

 

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