【厚労省】2022年度診療報酬改定の基本方針を決定、提供体制と働き方が重点課題に|千葉de医院開業

2021年12月10日

厚生省のビル外観

厚労省は12月9日、社会保障審議会医療保険部会および医療部会を開催し、2022年度診療報酬改定に係る基本方針を決定した。基本方針は4つの視点、2つの重点課題が設定され、これに基づいて個別改定項目を作成していく。

 

今後の改定スケジュールとしては、年末の予算編成で改定率が決定された後、来年1月中頃に厚労大臣が点数改定案を作成するよう中医協へ諮問し、1月下旬に具体的な「個別改定項目」を固め、2月上旬に中医協が厚労大臣に点数改定案を答申する。3月上旬には官報告示となり、4月施行前後に疑義解釈が公表される。

 

 

(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築【重点課題】

 

【具体的方向性の例】
○当面、継続的な対応が見込まれる新型コロナウイルス感染症への対応
○医療計画の見直しも念頭に新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築に向けた取組
○医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価
○外来医療の機能分化等
○かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価
○質の高い在宅医療・訪問看護の確保
○地域包括ケアシステムの推進のための取組

 

 

(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進【重点課題】

 

【具体的方向性の例】
○医療機関内における労務管理や労働環境の改善のためのマネジメントシステムの実践に資する取組の推進
○各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するための勤務環境の改善、タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進
○業務の効率化に資するICTの利活用の推進、その他長時間労働などの厳しい勤務環境の改善に向けての取組の評価
○地域医療の確保を図る観点から早急に対応が必要な救急医療体制等の確保
○令和3年11月に閣議決定された経済対策を踏まえ、看護の現場で働く方々の収入の引上げ等に係る必要な対応について検討するとともに、負担軽減に資する取組を推進

 

 

(3)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

 

【具体的方向性の例】
○患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価や医薬品の安定供給の確保等
○医療におけるICTの利活用・デジタル化への対応
○アウトカムにも着目した評価の推進
○重点的な対応が求められる分野について、国民の安心・安全を確保する観点からの適切な評価
○口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進
○薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価、薬局・薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進、病棟薬剤師業務の評価

 

 

(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

 

【具体的方向性の例】
○後発医薬品やバイオ後続品の使用促進
○費用対効果評価制度の活用
○市場実勢価格を踏まえた適正な評価等
○医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価(再掲)
○外来医療の機能分化等(再掲)
○重症化予防の取組の推進
○医師・病棟薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進
○効率性等に応じた薬局の評価の推進

 

 

■関連サイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22635.html

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