【厚労省】医療提供体制:外来医療でも医師偏在指標と医師多数区域を設定|千葉de医院開業

2019年1月10日

ドクターの働き方改革

資料:医療従事者の需給に関する検討会(PDFファイル)

 

厚生労働省は12月26日の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会に、外来医療における医師の偏在を解消するため、外来に特化した医師偏在指標を策定して、各2次医療圏の充足状況を可視化し、無床診療所の新規開業希望者に情報提供することなどを提案した。2019年度中に都道府県が作成する外来の医療計画に盛り込み、2020年度から実施する。

 

入院・外来を合わせた医師全体の確保目標については、都道府県が2020年度以降、医師偏在指標をベースにした「医師確保計画」を3年(初回は4年)ごとに策定し、具体的施策を展開することになっている。ただ、外来医療については、中心的役割を担う無床診療所の開設の都市部偏在がとくに問題視されており、厚労省は、医師確保計画で医師全体の充足状況が明らかになるのに併せ、外来の実態をより適正に反映した指標の策定や取り組みが必要と判断した(p.16参照)。

 

外来の医師偏在指標の計算式は、医師全体の偏在指標を参考に、地域ごとの人口構成の違いや、性・年齢階級別の外来受療率、患者の流出入などを加味したものとする方向(p.41~p.43参照)。都道府県は全国統一の計算式で2次医療圏ごとの外来医師偏在指標を算出。全国に335ある2次医療圏のうち、外来医師偏在指標が高値の上位数%(具体的数値は今後決定)を「外来医師多数区域」に設定し、都道府県のホームページなどで情報提供することを通じて、新規開業希望者の自主的な行動変容を促す(p.46参照)。

 

◆医師多数区域での新規開業は地域で不足する医療の提供を要請

外来医療の提供主体である診療所が地域でどのような役割を担い、地域全体としてどのような外来医療提供体制を構築していくのかを協議する場を設置することも提案した。協議の場は2次医療圏単位を原則とし、地域医療構想調整会議の活用のほか、ワーキンググループの新設など地域の実情に応じた柔軟な運用を認める。外来医師多数区域で診療所を新規開業する場合は、在宅医療、初期救急医療、公衆衛生(学校医、産業医、予防接種)など、その地域で不足している機能を担うことを求める考えも示した(p.52参照)(p.58~p.59参照)。

このため、外来医師多数区域では新規開業時の届出様式に、地域で不足している外来医療機能を担うことに合意する旨を記載する欄を設け、協議の場で確認する。記載がない場合や、地域の方針に従わない場合は臨時協議の場への出席を求める考え(p.61参照)。

 

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