【厚生省】電子処方箋に係る追加機能等の2024年3月以降のスケジュールと検討状況|千葉de医院開業

2023年10月1日

厚生省のビル外観

厚労省は9月27日、電子処方箋等検討ワーキンググループを開催し、2024年3月からの電子処方箋に係る追加機能等のスケジュールと検討状況を確認した。スケジュールの変更として、分散して実装することによる医療現場の混乱、システムベンダ負荷等を考慮し、10月頃に予定していた①重複投薬等チェックにおける口頭同意、②リフィル処方箋への対応、③マイナンバーカードを活用した電子署名について、本年12月~来年1月を目途に実装を目指すとした。これに伴い、先行してモデル地域や早期導入施設等に「プレ運用期間(2024年5月末まで)」を設けて横展開していく。併せて、診療報酬改定施行を2ヵ月後ろ倒して6月1日とする「診療報酬改定DXのプレ運用期間」も2024年5月末までとする。

 

2024年3月にリリースを予定する「調剤済み処方箋の保存期間等」については、薬局の希望に応じて調剤済み処方箋原本を電子処方箋管理サービスに保管(委託)する仕組みとして、猶予期間を含めて5年3ヵ月間保存・保存期間経過後は一律削除とする。また、2024年3月にリリースを予定する「医療扶助の電子処方箋対応」では、生活保護受給者(被保護者)に対する電子処方箋の発行を可能とする。

 

前提として、福祉事務所から発行される医療券/調剤券が必要となり、指定医療機関等で受診等する運用自体は変わらない。電子処方箋の発行は、被保護者の場合もオンライン資格確認で取得した患者の有効な資格情報に紐づけてデータを登録するため、未委託の指定医療機関等では患者の資格情報に相当する公費負担者番号等をオンライン資格確認で確認できず、電子処方箋は発行できないこととなる。

 

2024年4月から運用開始を予定する「オンライン資格確認用Webサービス」の導入に当たっては、現在のマイナンバーカードによるオンライン資格確認の仕組みに対応していない機関・業態(訪問看護、柔整あはき等)について、オンライン資格確認が可能となる基盤が整備される。その一環で、オンライン診療・オンライン服薬指導等でもマイナンバーカードを活用したオンライン資格確認ができる仕組みとなる。

 

これにより、自宅等で患者のスマホからオンライン資格確認用Webサービスを活用し、調剤対象の処方箋を選択でき、オンライン診療・服薬指導の業態でも、マイナンバーカードの受付によって過去の薬剤情報閲覧等の同意等ができるようになり、オンライン資格確認の用途が更に拡大される。「院内処方情報の取扱い」は「電子処方箋管理サービスを介する方法」とすることを基本として検討を進め、実装のスケジュールは調整中とした。

 

入院時の薬剤情報の閲覧や院内処方分を含めた重複投薬等チェックを実施できるようにすることで利便性が一層高まることを踏まえ、具体的には、薬物治療を目的として使用する薬剤(手術や検査等に使用する薬剤を除く)のみを登録必須とする案が検討されている。

 

■関連サイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35381.html

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